私たちは60代を走り始めた愛犬と暮らす夫婦です。
築36年の木造一戸建ての家を、高齢化する犬と夫婦が暮らしやすい家にリノベーションすることに決めました。
窓の役割
家を南側から見たわが家のパース(工務店作成)ですが、大きな欄間付きの掃き出し窓が1階部分の各部屋についています。
窓には
- 明るさの確保(日光を取り入れる)
- 風通しの確保
- 眺望の確保
- 家の外観(色やデザイン)
などの役割があります。
また
- 騒音を遮る
- 夏涼しく、冬暖かい部屋
- 防犯
などの役割も窓に求められます。
現在の家は南面の各部屋に掃き出し窓があるため、家の中が明るく、どんよりした曇りの日や雨の日以外は昼間の照明は必要ありません。
閑静な住宅地で治安も良い方です。
窓に対する不満点は、主に通風と冬の断熱でした。
通風については間取の変更の中で考えていくことにして、断熱性能を考えて窓を選ぶことにしました。
断熱性能を考えた窓選び
窓は熱の出入りが一番多いところで、YKKapのカタログによると、壁と比べると夏は約6倍、冬は約3倍の差があるのだそうです。
家の中に入って来る熱も、家の中から逃げていく熱も窓が一番大きいのです。
いくら壁に高性能な断熱材が入っていたとしても、この大きな窓をどうにかしないと夏は暑く冬は寒い家から逃れられんせん。
現在のわが家の窓は、アルミサッシの枠に単層ガラスです。
アルミは軽く、加工性もよく、水にも強く耐久性も高いので窓枠には都合の良い素材です。
しかし、アルミは熱伝導率が良く断熱には都合の悪い素材です。
近年の窓は複層ガラスが主流ですし、ガラスそのものに遮熱性や断熱性を持たせたLow-E複層ガラスもあります。
窓ガラスには種類がいろいろありますが、わが家の場合は複層ガラスかLow-E複層ガラスが選択肢になりました。
窓ガラスとサッシについて調べてみました。
複層ガラス
複層ガラスは、スペーサーという金属部材で、2枚のガラスの間に中空層を持たせたガラスです。
スペーサーを用いて保たれた空間には、乾燥空気が封入してあります。
ガラスより熱伝導率の低い空気を挟み込むことで、熱移動を防ぎ断熱性能を高めたガラスです。
主に冬の寒さ対策や結露対策に効果的です。
Low-E複層ガラス
Low-E複層ガラスは、ガラスにLow-E膜と呼ばれる特殊な金属膜をコーティングしたガラスで構成されています。
Low-E膜は赤外線や紫外線をカットする特性があり、通常の複層ガラスよりも高い断熱性や結露防止効果が期待できます。
またLow-E膜の種類によっては、太陽の熱や日差しを遮ることができるため、夏の暑さ対策としても有効です。
窓ガラスの選び方まとめ
窓ガラスの性能は、Low-E複層ガラスが一番高く、次に複層ガラス、そして単板ガラスになります。
価格もLow-E複層ガラスが一番高く、単板ガラスが一番安くなります。
私たちは、価格と機能を考慮した結果、西日が強く当たる部屋もないので遮光までは要らないかな。
「複層ガラス」で十分だよね。
という結論になりました。
サッシの選び方
サッシは昭和の頃はアルミのみを使った「アルミサッシ」が一般的でしたが、最近は「アルミ樹脂複合サッシ」や「樹脂サッシ」が使用されることが多いです。
それぞれのメリットとデメリットを調べてみました。
複合サッシのメリット
複合サッシは、風雨や紫外線にさらされる外側にはアルミを使い、内側には断熱性を高めるために樹脂に使うことでそれぞれの欠点を補ったサッシです。
アルミサッシに比べると断熱性が高く、樹脂サッシに比べると丈夫なのがメリットで、メンテナンスもほとんど必要ありません。
また、樹脂サッシに比べると軽く、価格も安いうえ、開閉のタイプやデザインも豊富です。
複合サッシのデメリット
複合サッシは、断熱性や防音性は樹脂サッシに比べると劣り、アルミサッシよりは紫外線に弱いのがデメリットです。
また、樹脂を使用するため窓のサイズが同じでもアルミサッシよりは重く、価格もやや高くなります。
樹脂サッシに比べると結露しやすいです。
樹脂サッシのメリット
樹脂サッシはサッシ全体が樹脂でできたサッシです。
色や柄のバリエーションが豊富で、インテリアに合わせた窓辺を演出することができます。
樹脂サッシのメリットは断熱性と防音性の高さです。
熱伝導率が低いため、外の気温の影響を受けにくく結露が少ないです。
樹脂サッシのデメリット
アルミサッシに比べると弱く、紫外線による変色や割れなどが起こる可能性があります。
強度を補うためサッシが太くなることからアルミサッシや複合サッシに比べると重く、価格が高めです。
白く粉を吹く「チョーキング」など、劣化時に補修・交換を行う必要があり、メンテナンスの手間もかかります。
サッシの選び方まとめ
複合サッシは樹脂サッシよりも価格が安くてメンテナンスの手間がかからないというメリットがありますが、樹脂サッシよりも断熱性が劣り結露しやすいというデメリットがあります。
そのため、屋外と屋内の寒暖差が大きい寒冷地では複合サッシよりも樹脂サッシが適しています。
わが家の場合、春から秋までは東と南の日差しが強くなるため、樹脂サッシだと劣化が早いかもしれません。
なので、樹脂サッシよりもメンテナンスが楽でコストが安い複合サッシを選びました。
まとめ|窓は環境や欲しい機能で選ぶ
窓の役割は、明かりを取ったり、風通しを良くしたり、防音や防犯効果を持たせたり、また窓から見える景色を楽しんだり、家の外観も窓のデザインで違ってきます。
そして、窓は断熱に大きくかかわります。
大きな窓のお陰で室内が明るいわが家ですが、大きな開口部は冷暖房効率が悪いということになります。
冷暖房をどのくらい使うのか考えたときに
夏の冷房→犬のために猛暑日の日は一日中。その他の使用は暑い時間帯だけ。
冬の暖房→曇天雨(雪)天の日は終日。晴れれば窓のお陰で日中はポカポカ、暖房は朝晩使うくらい。
雨戸もあるし、カーテンも高機能だしな~。
ということで「複合サッシ」「複層ガラス」を選びました。
内窓という選択もあるのですが、高齢化していく自分が窓の開け閉めが面倒になったり、掃除をするのがおっくうになりそうなので選択から外しました。
窓は大きさや形だけではなく、求めている機能をできるだけ多く満たす製品を選ぶことが大切だと感じました。
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